著作権違反で実刑判決がでた「はるか夢の址」事件

著作権違反で実刑判決がでた「はるか夢の址」事件

今年、インターネット上で違法ファイルをアップロードしていた人間が実刑判決を受けるという判例がくだりました。
主犯格3名とも執行猶予なしの実刑という、著作権違反としては過去最高レベルの厳刑がでました。
今までネット上の著作権違反としてここまで重い刑事罰を受けた事件はほとんどありませんでした。なぜこのような、重い罪になってしまったのか順をおって解説していきたいと思います。

流行りだした無料漫画アップロードサイト

ここ数年間で、ユーザーの中では無料で本屋さんで置いてある雑誌や漫画を無料でダウンロード出来て、かつ無料で閲覧できるというサイトが流行していました。こぞってヒットサイトが乱発し、インターネット上の著作権は無法状態となっていたのです。
「フリーブックス」、「ナナイチ漫画館」、「漫画村」など、SNSでどんどん拡散されていき、前述あげたサイトはアレクサの日本のアクセス数調査では、ただの一個人がやっているサイトがYahooや楽天市場などとならびベスト10入りを果たすくらいの勢いでした。
一説にはアレクサはほとんどがPCユーザーのアクセス数を見ているので、スマホをいれると日本の中で一番だったのでは、と言われるほどの人気サイトになっていました。

なぜこういったサイトが人気だったのか?


上記のサイトはどれも人気少年漫画「ワンピース」や「ナルト」などを全巻買わずに無料で読めるだけでなく、便利に読めるビューワーやユーザビリティに優れたサイトとなっており、現在本屋で発売されている数多くの週刊誌などが発売日などに普通にアップロードされている状態でした。
中には「週刊少年ジャンプ」「ヤングマガジン」などの人気雑誌はどういうルートかはわかりませんが、本屋さんに並ぶ一日前にはすでにサイト上にアップロードされているというとんでもない状態になっていました。
昔のコミックや、アイドルの写真集、ビジネス雑誌までまさにインターネット上に本屋が無料であるのと同じでした。
あまりお金がない学生はかなりの使用率だったと思われ、その流行は社会人や一般層にまで広がり、出版業界が動かざるを得ない状況になり、テレビニュースなどでも連日報道されるようになりました。

どうやって法の網をくぐり抜けていたのか

これらのサイトはすべて日本の交流のない海外のマイナーな国のサーバーにアップロードされていました。
アメリカなどの国ではなく、日本人がほぼほぼ聞いた事のない国を利用していました。つまり著作権というのは日本国内だけに適用されますので、海外の辺鄙な国にアップロードされてしまうと、中々手が出ません。
それらの作品がその国でも著作権を所持していれば話は別でしょうが、それは難しいのです。
まず、上記サイトらはドメインも匿名で取得しており、サーバーも日本から辿れない第三国に置いており、ひどい場合は海外⇒海外へアップロード、サーバー契約者も海外の人間、支払いも海外⇒海外、または仮想通貨の匿名口座からと徹底した身バレの防御方法を強化しており、誰か運営しているのかそもそもがわからないというケースが多くを占めます。

ではなぜ逮捕できたのか?

上記の「フリーブックス」、「ナナイチ漫画館」、「漫画村」は問題視はされましたが、結局は誰が運営しているのかわからないままサイトが閉鎖していました。追っていた人間も何人かはいたようですが、結局は真相は闇の中です。

そんな中逮捕されたのは「はるか夢の址」というサイトです。
しかしこのサイトはあくまでアップロードはせずに、アップロードしているサーバーを紹介する「リーチサイト」という位置付けでした。

文化庁ウエブサイトより(文化庁著作権審議会分科会法制・
基本問題小委員会2016年12月27資料8より一部抜粋)

このようにリーチサイトという名目でアップロードはしていないと主張していましたが、結局は仲間内でサーバーを契約して、その中でアップロードをしていたというのがわかっています。
この場合、リーチサイトが違法アップロードの物にリンクを貼っていたから逮捕されたのではなく、リンクを貼られている側の物をアップロードしていた事が明るみに出たから逮捕された訳です。
彼らはかなり昔からこういった図式でサイト運営をしており、多額の広告収入を得ていた上、他のライバルサイトにddos攻撃をしかけて潰すなど、かなり悪質で目立っている存在でした。おそらく上記のような形でやっていたら、日本では著作権侵害での刑事事件で逮捕されることは絶対にないとたかを括っていたのでしょうが、かなり重い判決でこの事件は終わりました。

「はるか夢の址」事件がもたらした物とは

一時期、一世を風靡し、人気サイトがどんどん作られていたこの無料漫画ダウンロードサイトですが、「はるか夢の址」の判決で執行猶予無しの実刑判決が出たからなのかすっかり影を潜めて、今はそんなサイトは見られなくなりました。
またこのようなサイトが現れるかもしれませんが、ユーザーの皆さんにはこういったサイトを安易に使用しないように気を付けてもらいたいと思います。

ただ、現段階では一般ユーザーにとってはネット上にアップされている作品が許可を得て公開されているのか、無許可・無断で配信されているのかは、パッと見ではわかないというのも事実です。
上記のサイトはユーザーに漫画を見せている裏でマイニングソフトなどを回させていたという話もありますし、日本ももう少しネット上の法律を強固する必要があるのかもしれません。

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